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「国民の教育を受ける権利」の保障に貢献する
日本教育法学会

声明


2025年5月30日 日本教育法学会会長声明


「日本学術会議法案の修正または廃案を求める声明」

2025 年 5 月 30 日
日本教育法学会
会長 安達和志

 政府は今国会に「日本学術会議法案」を提出し、衆議院内閣委員会および本会議で原案通り可決され、参議院での審議が始まった。この法案では、現行法の前文に規定された戦後日本の学術のあり方に対する基本理念である「科学が文化国家の基礎」、「我が国の平和的復興への貢献」を削除し、「人類共有の知的資源」「経済社会の健全な発展の基盤」へと置き換え、学術のあり方を大きく転換させている。
 また、内閣総理大臣の任命による監事の設置、中期計画の策定と内閣府に設置される評価委員会による評価、学術会議の自律性を損なう会員選考の仕組みなどが規定され、自主性・独立性が大きく損なわれる危険性がある。さらに、財政面においても、政府による財政統制が可能となっている。これらのことから、日本学術会議がナショナルアカデミーとして満たすべき 5 要件(学術的に国を代表する機関としての地位、そのための公的資格の付与、国家財政支出による安定した財政基盤、活動面での政府からの独立、会員選考における自主性・独立性)を満たすものとは到底言いがたい。
 当学会は、内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(2022 年 12 月 6 日)に関して、会長声明を発出し、学術が政府等に従属させられることにより、学問の自由および大学の自治に対して深刻な影響を及ぼし、ひいては「国民の教育を受ける権利にも多大な影響を及ぼすことになる」との懸念を示した。しかし、本法案においてもこれらの懸念は一切払拭されていない。
 2025 年4月 15 日、日本学術会議の総会は声明「次世代につなぐ日本学術会議の継続と発展に向けて〜政府による日本学術会議法案の国会提出にあたって」を発出し、「日本学術会議法案の修正について」を決議した
 日本教育法学会は、これら日本学術会議の声明および決議を支持する。よって、適切な修正が行われないのであれば本法案の廃案を求める。

以上

  *PDFファイルは、こちらをご覧ください

過去の声明


※クリックすると声明文をご覧いただけます。
年月日 日本教育法学会会長声明
2023年2月15日 日本学術会議が発出した声明「内閣府『日本学術会議の在り方についての方針』について 再考を求めます」に賛同します。
2020年10月17日 「日本学術会議会員候補者任命拒否問題に関する会長声明
2014年5月11日 「地方教育行政法・学校教育法・国立大学法人法の改正案の撤回・廃案を求める声明」

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